令和7年度 整備養成講座が終了しました
9名の受講生を迎え、7月から全8回で開催しました整備養成講座が終了しました。「チェーンソーによる伐木等特別教育」の実技講習を兼ねた本講座は、資格取得から実際の森林整備に必要な伐木技術を中心に、理論と実践、そしてチームディスカッションを重ねながら進めてきました。受講生はそれぞれが異なるバックグラウンドや期待を胸に講座に臨み、修了後に感じたことや、今後の展望、講師や講座への率直な思いをアンケートとして寄せてくださいました。
S.Iさんにとって、講座は単なる体験ではなく、森と関わる視点を広げる機会だったようです。
「普段伐木作業等を行っている職人さんたちに実際に教わる時間が多かったことです。…普段見ている森を見る視点が広がりました。」
「また森でお会いできる日を楽しみにしています。」
Fさんは、講座そのものについて「想定どおり」と言う一方で、仲間たちの温かさや講座の雰囲気に強く満足していました。
「みんないい人でよかったということに尽きる」「できることを褒める姿勢はとてもいいなと思った」
「森や山に関われそうな未来が見えた」「仕事として林業に携わりたい」
K.Hさん特に心強く感じたのは、講師陣の思いや講座の姿勢でした。
「各種技術を惜しみなく伝授し、林業・森林整備従事者の裾野を広げていきたいという、講師の皆様の強い意志を感じました。」
「事故防止のために留意すべきことが多く、ひとつとして疎かに出来ないことを(頭では)理解しました。」
「ボランティアとして林業に携わりたい」
最年少20代のS.Mさんは、講座の内容について高密度な実践が良いと感じつつも、参加者の構成や講座の“ハードル”について、アドバイスくださいました。
「3人組で回すと全部(切る、ロープ、プラロック)できていい!!少人数希望」
「改善すべきはスケジュールかな」「連続2回開催でないなら3連休は残してほしかったなぁ」
「チェンソーが使えると時短と体力の温存ができて素晴らしい」
K.Nさんは、特に「かかり木処理」が楽しかったと率直に書いています。
また、講座を「収入元の一つ」「地域貢献の手段」と捉えており、「幾らか稼げるなら今後も携わっていきたい」と前向きな意志を示していました。
ただし、「技術はまだまだ」という自己認識もあり、今後スキルアップや経験を重ねたいというスタンスのようです。
M.Fさんは、後半仕事や体調の都合で参加できない回もあったようですが、それでも「森林の色んなことが学べた」「多変有意義な講座でした」と総括しています。
森林への興味がより深まり、「ボランティアとして林業に携わりたい」という気持ちを再確認。さらに「来年以降も受講者のフォローアップ講座の検討もお願いしたい」と、継続的な支援や関係性を望む言葉もありました。
総評 — 講座が開いた“新しい扉”と、見えてきた課題
このアンケートから見えてきたのは、講座が 「ただのスキル取得」ではなく、森林と関わる新しいライフスタイルや価値観、共同体への入り口であったことです。多くが「未経験/初心者」からの参加にもかかわらず、半年を通じて「チェンソー操作とメンテ」「伐採」「かかり木処理」といった実践を経験できたことで、「自分にもできる」という実感と自信につながったようです。
一方で、「参加コスト(お金・時間)」「講座の頻度/スケジュール」「身近に練習環境がない」など、継続や広がりを阻むハードルがあるとの指摘も多く、特に若い世代や初学者にとっては“最初の一歩”のハードルが高いという声も。
同時に、講座後の「仕事として」「ボランティア希望」「地域貢献」「収入源の一つ」「コミュニティへの参加」という多様な道筋も浮かび上がりました。つまりこの講座は、単なる研修ではなく「入口」だ――。そんな受講者たちの期待と志を、静かに感じさせる結果だったように思います。

